著者 YAMATOMO 編集部 公開日 約6分で読めます

山で虹が出る条件——見つけ方

山で虹が出る条件——見つけ方(イメージ)

山で虹を見かけたとき、なぜそこに現れたのかを理解していると、次の虹を自分で予測できるようになります。虹は「水滴」と「太陽光」の位置関係が整ったときに現れる光学現象です。条件さえ読めれば、「あそこに虹が出るはずだ」と判断できる場面が増えます。

ただし、虹が見えるということは空気中に水滴が漂っているということでもあります。雨上がりや通り雨の直後、霧が流れ込む稜線——つまり虹の出やすい状況は、天候が不安定な局面と重なりがちです。虹を楽しむ前提として、気象の変化を正しく読むことが不可欠です。

虹が成立する三つの条件

虹は、次の三つが同時に揃ったときに見えます。

  1. 太陽が低い位置にある:太陽の仰角がおよそ42度以下であること。朝や夕方の時間帯、あるいは高い山の稜線から谷を見下ろす状況で条件を満たしやすくなります。
  2. 空気中に水滴がある:雨上がり、霧雨、滝しぶき、通り雨の端など。水滴が光を屈折・反射することで色が分かれます。
  3. 観測者が太陽を背にしている:虹は常に太陽の反対側の空に現れます。太陽を背にしたとき、目の前の空や谷を見ると虹のある方向になります。

山では平地よりもこの三条件が揃いやすい場面があります。稜線や山頂では視界が広く、雨雲が通り過ぎた直後に低い太陽が顔を出す、という展開が起きやすいからです。

山特有の「虹が出やすい状況」を読む

通り雨の後

夏山では、午後に積乱雲が発達して短時間の雨が降り、その後に急速に晴れる、というパターンがよく起きます。このとき雨雲が東側や谷側へ移動し、西の空が開けると、西日を背に受けながら東側の湿った空気に虹が現れます。雨が上がってから空の明るさを確認し、太陽の方向を把握することで虹の出る方角が絞り込めます。

霧が流れる稜線

稜線に霧(低い雲)が流れ込んでいるとき、霧と太陽の位置が揃えば「霧虹(きりにじ)」と呼ばれる白い弧が見えることがあります。霧虹は水滴が非常に細かいため色がほとんど分離せず、白っぽい弧に見えます。通常の虹と同じ原理ですが、見た目が大きく異なるため見過ごされやすい現象です。

滝や沢の近く

滝壺や急流の近くには常にしぶきが漂っています。太陽の角度が合う時間帯——特に午前中の早い時間や午後遅め——に滝を背にして立つのではなく、太陽を背にして滝の方向を見ると、しぶきの中に虹が現れることがあります。

虹の位置を予測する手順

虹が現れる方向は「太陽の反対側の空」ですが、もう少し具体的に絞ることができます。

手順1:太陽の方向を確認する背中に太陽を感じる向きに立ちます。足元に自分の影が伸びている方向が、虹の中心(反日点)です。

手順2:仰角42度の位置を探す反日点から上方向へおよそ42度の位置が、虹の弧の頂点になります。腕を水平に伸ばしたときの角度を基準に、そこから少し上を目安にすると感覚がつかめます。

手順3:水滴の位置を重ねる雨雲、霧、滝しぶきなど水滴のある方向と、ステップ2で求めた方向が重なれば虹が見えます。水滴がその範囲にない場合、虹は現れません。

主虹と副虹の見分け方虹は一本だけでなく、外側に薄くもう一本(副虹)が現れることがあります。主虹は内側が赤、外側が紫の順で色が並びます。副虹は主虹の外側に現れ、色の順番が逆(内側が紫、外側が赤)になっています。稜線からの広い視野では副虹まで見えることがあるので、主虹を見つけたらその外側にも目を向けてみると判断の練習になります。

「虹が見える」と「安全に楽しめる」は別の話

虹が出やすい状況は、天候が崩れやすい状況と表裏一体です。特に夏山の午後に通り雨が来た直後は、積乱雲がまだ周囲に残っていることがあります。虹に気を取られて雷雲の接近を見落とすと、深刻なリスクに直結します。

虹を確認したら、同時に以下も確認する習慣をつけておくことが大切です。

気象情報は出発前に気象庁の山岳気象予報や各地の天気予報で確認し、山中では定期的に空全体を観察することを基本にしてください。

次の行動

次に山へ出かけるとき、雨上がりには太陽の方向を確認し、その反対側の空と水滴の有無を意識してみてください。虹の出る仕組みを理解してから空を見ると、気象の変化を読む練習にもなります。天候判断に自信がない段階では、認定ガイドと一緒に行動しながら気象の読み方を実地で学ぶことも選択肢の一つです。YAMATOMOアプリでは認定ガイドへの依頼や登山者コミュニティへの参加ができます(詳細は公式サイトで確認してください)。

参考資料

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