登山道での追い越しは、道路の追い越しとは根本的に違います。舗装道路には追い越し車線がありますが、山道には幅30センチほどの一本道しかないことも多く、「どこで」「どう声をかけ」「相手がどう反応するまで待つか」を判断する必要があります。
多くの人が迷うのは、声をかけるタイミングと言葉の選び方です。「すみません」だけでは何を求めているか伝わらず、相手が立ち止まるのか続けて歩くのか判断できません。かといって無言で背後に近づけば、足音に気づいた相手が驚いて転倒するリスクもあります。
この記事では、追い越しの声かけと待機場所の選び方を、具体的な状況に沿って整理します。
この記事の本文はAI(Claude)が執筆しました。装備・料金・規制・営業状況などの変わりやすい情報は、各山域や施設の公式の案内で最新の内容をご確認ください。
なぜ追い越しに気を遣う必要があるか
登山道の追い越しがトラブルになりやすい理由は、「お互いの意図が見えにくい」ことにあります。前を歩く人は、後ろから近づいてくる人が追い越したいのか、同じペースで歩き続けるのかわかりません。後ろから来る人は、前の人が道を譲ろうとしているのか、ただ立ち止まっているのかわかりません。
加えて、登山道には段差・根・岩など不安定な足場が多く、突然の動作は転倒につながります。声をかけてから相手が「安全に立ち止まれる場所」まで移動する時間が必要なのは、このためです。
ペースの違いは疲労度や体力差だけでなく、荷物の重さや下山・登山の目的の違いによっても生まれます。どちらが「遅い」「速い」ではなく、それぞれのペースで歩いているだけです。追い越しを求めるときも、求められるときも、その前提を共有しておくとやりとりがスムーズになります。
声をかける前にすること
声かけの前に、まず「本当に今追い越す必要があるか」を確認します。すぐ先に広い場所や分岐がある場合は、そこまで待てることが多いです。狭い斜面で無理に追い越すより、少し待って開けた場所で抜く方が双方の負担が小さくなります。
次に、相手との距離を確認します。背後2〜3メートルまで近づいてから突然声をかけると、驚かせます。5〜6メートル程度の余裕を保ちながら、相手が振り返りやすいタイミングを待ちます。相手がリズムよく歩いているときより、小休止を取ろうとしている場面や、段差を越え終えた直後の方が声が届きやすいです。
声のかけ方——言葉と伝え方
追い越しの声かけで最も重要なのは、「追い越させてほしい」という意図をはっきり伝えることです。「すみません」だけでは道を聞かれると思われることもあります。次のように意図を一言で添えるのが確実です。
- 「すみません、前に出てもよいですか」
- 「少し先に進ませていただけますか」
- 「お先に失礼してもよいですか」
声の大きさは、相手に確実に届く程度にします。風が強い日や、ロングスパートで相手が息を切らしているときは、少し大きめに話さないと聞き取れません。ただし、静かな山域や他の登山者が近くにいるときは必要以上に大きな声を出さないよう配慮します。
相手が外国語話者と思われる場合は、日本語が通じないこともあります。「May I pass?」や手のジェスチャー(前方を指す)を組み合わせると意図が伝わりやすいです。
声をかけたあとは、相手が反応するまで動かずに待ちます。「はい」「どうぞ」という言葉がなくても、相手が足を止めて脇に寄り始めたら、その動作が完了してから進みます。相手が応答し終わる前に動くのは、双方に不安を与えます。
待つ場所の選び方
追い越しを求められた側が立ち止まる場所の選び方も、安全に直結します。「すみません」と声をかけられた瞬間にその場で立ち止めると、道の真ん中で後続者の通路をふさぐことになります。
安全に道を譲れる場所の目安は以下のとおりです。
安全な待機場所の条件
- 足場が平坦か段差が小さい:斜面の途中で重心を移動させると滑る危険があります。岩の上や根の間より、土の平坦な場所を選びます。
- 道幅が1人分以上余裕がある:すれ違えない幅の道では、どちらかが完全に停止して先に通してもらう必要があります。
- 少し前か後ろに移動できる:「ちょうどそこ」が岩場の途中なら、5〜10歩先や手前の安定した場所まで移動してから止まります。
場所を探しながら進むとき、後続者に「もう少し先で止まります」と声をかけると待つ側も安心します。無言で歩き続けると「声が届かなかったのか」と思われることがあります。
急登・鎖場・岩場での追い越し
鎖場や岩場では、追い越しをしないのが原則です。体の向きを変える余地がなく、鎖から手を離すタイミングも追い越す側とされる側で合わせることが難しいためです。鎖場の手前か出口で待ち、相手が完全に通過してから進みます。
急登の途中では、登りが下りより優先されるという一般的な慣習があります(体力的に登りの方が止まって再スタートする負担が大きいためです)。ただし、これは絶対のルールではなく、状況によって柔軟に判断します。特に、下りの人が安全に止まれる場所にいる場合は、登りの人に先に進んでもらうのが合理的です。
追い越された側の動き方
追い越しを許可し、相手が通過したあとは、相手が十分に先に進んでから歩き始めます。追い越した直後に同じペースで後ろについてしまうと、再び追い越しを求めることになります。数十秒待つか、相手の姿が十分遠くなるまで休憩に充てるのが自然です。
また、追い越されたことで焦ってペースを上げる必要はありません。自分のペースを保つことが、長い行程での安全につながります。
次の行動
次に登山道で後続者に気づいたときは、「声をかけられる前に自分から安全な場所を探す」習慣を試してみてください。相手が声をかけやすくなり、追い越し全体がスムーズになります。YAMATOMOの登山記録やコミュニティでは、こうしたマナーの経験談や疑問を同じ山域を歩く仲間と共有できます。初めて歩くルートで不安がある場合は、認定ガイドへの相談も選択肢のひとつです。